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アロハシャツ伝説のブランド、ムサシヤ

「初めてアロハシャツを作ったのは誰か」という問には、諸説あって今も議論が絶えません。でも、「アロハシャツ」という言葉をはじめて使ったブランドは、ムサシヤだと言われています。ムサシヤ・ショーテン(後にこの店は売却され、ムサシヤ・ザ・シャツメーカーという別店を開店)は、宮本孝一郎が作ったブランド。

孝一郎は日本育ちなのですが、1920年ハワイで衣類の販売店を営んでいた父の跡を継ぐことになりました。英語はたどたどしく商売の経験もなかったコウイチロウでしたが、とてもインパクト大の広告キャンペーンを放ちます。

それは、日本語なまりの英語コピーを使い、孝一郎の似顔絵を出すという、日本人であることを全面に押し出したものでした。それが当時のハワイアンにうけ、ソロバンで計算し客に丁重におじぎをしたコウイチロウの人柄もあって、たちまちムサシヤは有名ブランドになります。

当時はまだ注文仕立て、つまりオーダーメイドシャツが多かった時代でしたが、その顧客リストを見るとこのブランドがいかに成功していたかがわかります。

ジョン・バリモア(ドリュー・バリモアのおじいさん)、アラン・ラッド、メアリー・ピッグフォード、シャーリー・テンプル。今の人にはピンとこないかも知れませんが、みんなハリウッドの大スターです。

こうして世界一有名なハワイブランドのひとつとなったムサシヤ。残念ながら1968年には店を閉じてしまうのですが、孝一郎の似顔絵入りタグの付いたヴィンテージアロハシャツはコレクター垂涎の品となっています。

近年、復刻版プリントのアロハシャツまで登場しました。なお、ムサシヤの「ムサシ」は、祖国の地名からとったとされていますが、創業者の名字が宮本なんで、どう考えても宮本武蔵からとったと思われてなりません。説明が面倒だったから「地名」と言ってたんじゃないですか、孝一郎さん。

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